宮城県石巻市・復興支援ボランティア③~子どもたちとふれあって~
避難所の小学校やイベント会場で、子ども達とふれあって私が心に残ったことを記します。
ep1.
寂しさなのか、ただそういう年頃なのか、遊び相手が欲しいのでしょうか。
4人の子どもたち(小2~小4の子)が近寄ってきてくれたので、私も寄って行き、しばらく座って一緒にお話をしました。
当日の朝、宮城県で震度5弱の地震があったので、
私「朝、地震あったよね?大丈夫だった?」
子どもたち「あったよ!でも平気。地震なんて全然怖くない!」「全然怖くないよー!」
子ども「あのね、・・・・怖いのは、津波。津波の方が怖い」
私「そっか・・・。」(内心、聞いてはいけないことを聞いてしまったかなと後悔しつつ・・・)
子どもたち「でももっと怖いものいっぱいあるよ!」「地震より津波より怖いものはある!」
私「うん、うん・・・」
子ども「戦争の方がもっと怖いんだよ。戦争の方が!」
------ズシンときました。
子どもたちは今回の地震でこれ以上ないぐらい怖い思いをしたはずです。
毎日の恐怖や悲しみに打ち勝つため、乗り越えてもらうため、それとも納得させるため、
真意はわからないけれど、親なのか周囲の方なのか、
大人がもっと怖いものがあるということで、それは「戦争」だと教えたのでしょう。
こんな小さい子が、戦争の方が怖いと必死で私に言ってくるのです。
この現実に胸が痛みました。
ep2.
花火大会は翌週に延期になったものの、
何人かの子どもたちがイベント会場に来てくれたので、みんなで花火をしました。
スタッフの学生たちが、消えそうになっては新しい花火を渡してくれます。
みんな大喜びです。
そんな中、小学生ぐらいの女の子が私のところへトコトコとやってきました。
女の子は、もらった花火に火を付けないで1本1本どんどん溜めて、両手にはいっぱいの花火を抱えていました。
女の子「あのね、この花火、・・・・お家に持って帰ってもいい??」
------心がチクッとしました。
私「もちろんいいよ。もちろんいい。・・・だから、今日も一緒に花火しよう!!」
女の子「うん!!ヤッター!!」
女の子はとってもかわいい心からの笑顔を見せてくれました。
私は事前に、子どもたちは遊ぶ場所も遊ぶことも本当に限られているということを聞いていました。
その女の子は、
明日も明後日も明明後日も今日のように花火がしたくて、
だから今は火を付けないで、花火を1本1本溜めていたのです。
その健気な姿に私は切なくなりました。
しばらくすると、その子がケホケホっと咳き込み出しました。
私「大丈夫?」
女の子「うん。私、ぜん息なの・・・」
私「ぜん息?」
女の子「夜はね、苦しくて眠れないときもあるから、こうやって吸うんだよ」
と吸入器を吸うしぐさをみせます。
私は、この子の日常の生活が浮かんできて胸が苦しくなりました。
「今はせめて、このぜん息だけでも軽くなって欲しい。」
私はそう願いながら、しばらくずっと女の子の背中をなでたり、さすったりしていました。
ナイアガラの花火。
とっても綺麗でした。
この消えてなくなる花火のように、子どもたちの悲しみが少しでも消えますように。
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被災地の方へ何ができるかわからない、何もできない、
そんな声を聞くこともありますが、
子どもたちは単純に一緒に遊ぶだけでも喜んでくれました。
「ケンカしたい~!ケンカする?」とか言って(私は「痛いからヤダ」って断りましたけど(汗))、
ふざけてスタッフの学生を蹴っている子どもや、
スーパーヨーヨーを得意気に教えてくれる子どももいたり、何かと嬉しそうでした。
皆さま、ボランティアなどで機会がありましたら、子どもたちといっぱい話したり遊んだりしてください。
また、自分たちが過ごしている場所でも、直接的にでも間接的にでも支援はできます。
復興のためになることを、それぞれの立場で考え、行動していきましょう!
子どもたちの笑顔のために。 日本の未来のために。
港区議会議員 小田あき(現 やなざわ亜紀)